ゆとりの法則 − 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解 |トム・デマルコ

ゆとりの法則 − 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解ゆとりの法則 − 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
トム・デマルコ
日経BP社 刊
発売日 2001-11-26

トム・デマルコの著作は、どうしていつもこんなにエキサイティングで説得力にあふれているのだろうか。それは、彼がプロジェクト管理において常に人間を中心に見つめ、現場にこだわる姿勢を貫いているからに違いない。
本書は、『ピープルウエア』(原題『Peopleware』)、『デッドライン』(原題『The Deadline』)などの著書で知られ、マイクロソフト、アップル、ヒューレット・パッカード、IBMなどのコンサルタントを務めるトム・デマルコが、プロジェクト管理における「ゆとり」の重要性と、これまでの効率重視の管理方法への異論を唱えたものである。
デマルコは、生産現場のブルーカラー労働者を対象に開発された管理手法は、今日の知識労働には当てはまらないと指摘する。「人間は時間的なプレッシャーをいくらかけられても、速くは考えられない」というリスターの法則を引用し、管理者がプレッシャーをかけることの無意味さを指摘したり、強気のスケジュールや時間外労働が結果的に失敗に終わる理由を述べたりするくだりは、普段非生産的な管理のもとであえいでいる部下・中間管理職にとって痛快極まりないだろう。デマルコは、このようにプロジェクト管理にまつわる誤解を指摘したうえで、プロジェクト管理を成功に導くために何が必要か、自分なりの考えを示している。
ユーモラスなたとえや衝撃的な事実、すべて実名を挙げてなされる痛烈な批判は、管理者に新たなプロジェクト管理の視点を提供してくれるに違いない。知識労働に携わるすべての人におすすめしたい1冊である。(土井英司)

「そんなこと知ってるし」「当たり前だけど」「できていないこと」 2004-09-30
“人間は時間的なプレッシャーをかけられても早くは考えられない”
“強気のスケジュールの害”「そんなこと知ってるし」「当たり前だけど」「できていないこと」を改めて指摘されるというのはなかなな衝撃的である。
また、本書は主にソフト開発プロジェクトをベースにした話ではあるが、別業種でも十分取り入れられる要素はある。表現も非常にユーモラスでわかりやすく、自分がペーペーのころは持っていた”働き手としての理想”"よい仕事場の理想”を思い出させてくれる。マネージャーなど、”人を使う立場”にいる人なら、一度くらい目を通しても損はないだろう。また、SOHO 等自分ひとりで仕事をしているような人で、タスク管理に悩んでいる場合にも、参考になる部分はたくさんあると思う。

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