好き嫌いで人事 |松井 道夫

好き嫌いで人事好き嫌いで人事
松井 道夫
日本実業出版社 刊
発売日 2005-07-14

心を鬼にして厳しい社長を演じている孤独な人 2005-11-01
 現状を常に否定しながら将来のビジネスモデルを真剣に模索している社長が、自らの経営哲学を語った本です。 大正7年創業の歴史ある証券会社を継いだ著者は、著者は次々と経営革新の策を断行していきます。大きな転機になったのは、外交セールスをやめてコールセンター中心の営業に舵を切った時でした。ベテランセールスマンは、「こんな社長に付いて行けるか!」と次々と会社を去りますが、著者の賭けは成功しました。
 対面セールスという一種効率の悪い営業を止めて退路を断った松井証券は、インターネットブームの先頭を切ることによって、売上高・経常利益をグングン伸ばします。4代目社長になった頃、年間売上高は1000億円でしたが、今の松井証券なら1日で売上てしまいます。160人の会社で年間売上高360億円以上、経常利益率62%という驚異的な業績の会社に変貌しました。 そんな著者が社員に言っているのは、「どうか頑張らないでください。頑張らないでも儲かる仕組みを頑張って考えて下さい」「給料をもらって働くのではなく、働いて給料をもらう、と発想を変えて下さい」ということです。
 社員の給与体系もガラッと変えました。退職金をやめて、相当分を今もらえる給与に加算。ボーナスなしの完全年俸制に移行しました。しかも給与査定は能力主義でも成果主義でもなく実力主義。人を総合的に評価すると好き嫌いの要素を撲滅することはできないのだから、“実力主義”とは、言い換えれば「好き嫌いで人事」ということです。 経営判断を誤ったらいつでも辞める、と著者は言います。本書に具体的数値は書いていませんが、講演では「現在30%のROIが10%を切ったら辞める」と断言していました。 著者のいう激動の時代に会社を経営していくことがどんなに大変なことか。その厳しさと今後も成功し続ける気迫と自信が伝わってくる一書でした。

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